Luxman D-500


早い梅雨明け、そして遅れてきた今年の暑さ。当地最高気温は38℃超え。少し前にアメダスを見たが、23時にまだ30℃以上ある。内陸の当地は海風もなく、昼夜とも東京都心辺りよりも明らかに暑い。群馬県というと山と温泉のイメージのようだが、県内猛暑エリアの伊勢崎・館林のおかげで最近は暑さが名物に加わった。
さて、まあ年寄りの天気話はどうでもいいとして、それより何より、到着したCDプレーヤーの火入れ式だ。


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先日の記事でLuxman D-500なら使ってみたいと書いた矢先に、某Aユニオンで出物を見つけた。これも神の啓示と解釈してさっそく電話。程度はいいらしい。値段も相応。アンプ類と違ってメカ物はメンテナンスが肝心と思い、送付前にメーカーメンテナンスを依頼して手を打った。ラックスサービスでの確認・補修を経て一昨日到着。週末の今夜、ようやく開梱・セッティングを終えた。


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音をどうのこうのという前に、まずそのビジュアルと存在感にやられてしまった。このプレーヤーは1994年の発売。すでにバブル期は終わった時期だが、ベースになったD-500Xser.は1990年の発売だ。企画・設計時点ではバブルのピークだったはずだ。つまりは、価格破壊やらコスト削減といったキーワードが前面に出る以前の設計思想が貫かれている。1994年、大学卒初任給が19万円余のとき25万円の定価付けは驚くほどのハイエンド機ということもないが、少なくても当時のラックス社にとってはCDプレーヤーのフラグシップであったことには違いない。その後の失われた20年で給料はさほど上がっていないが、オーディオ製品は確実にインフレが進行した。いまこの製品を出そうとしたら、50万円では出来ないだろう。…と、そういう講釈はネットに山ほどあるのでこの辺でやめておく。
肝心の音は…評判通りに素晴らしい。いわくアナログ的、いわく温か味のある、いわく太く厚い…と、そういうキーワードでイメージする音そのものだ。さきほどから、ブラームスの交響曲第2番を、シャイー&ロイヤルコンセツヘボウ管とインバル&フランクフルト放響の盤で聴いているが、正にヨーロッパ伝統の響きが蘇る。第1楽章の出だし、弦楽群が下降音形を奏して次にトロンボーンの静かなコラールが出る前、ティンパニーが弱音でトレモロを打つその音の距離感、木管と金管が交互にピアニッシモのコラールを奏したあとの低弦群の弱音ピチカート。静かなホールに広がる音響イメージが、完全なピラミッドバランスでよく聴こえてくる。


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…と、オーディオ雑誌の提灯記事のごとく書いておいてナンだが、そんなにいいのか、圧倒的なのかといわれれば、そんなことはない。実際、きのうまで使っていた四半世紀前のソニー製ポータブル型D-100と比較試聴を試みたが、D-100も十分厚く、アナログ的な音を聴かせてくれた。並べてみるとCDトランスポート部のイメージはとてもよく似ている。ソニーとフィリップスの2社はCDを先導した会社だけに、その黎明期には様々な技術的な情報交換やら音作りに関して共通認識があったに違いない。このD-500に載っているフィリップスのメカはスィングアーム式の最後期のものだと思うが、その当時の思想や音作りが息づいていたことだろう。一方、ソニーのD-100も今の視点からみたらポータブル型としては異例なまでにしっかりと作られている。両者の音に共通点があっても不思議はない(もっともその後ipodが出る前まで全盛だったポータブルCD機は、モデルチャンジする度に合理化の手が入り、音質で感心したものはない)。

スピーカーについては何十分の一かのダウンサイジング(2S-305⇒HL-P3ESR)をしておきながら、アンプとプレイヤーは一昔前の大型製品というややアンバランスな状況になったが、入り口から出口まで音響的な統一感はどうやら整った感があって、オーケストラからピアノや弦楽のソロまで、ほどほどの音量で聴く夜のリスニングには必要十分な音が出るようになったと一人合点している。


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No title

こんにちは
今度も充実の逸品ですね、
私は入口から出口まで充実機器で繋がったことがありません;以前、ソニーの光学系固定方式っていうプレーヤーを薦められ使ったことがあります。トランスポートがそのままトレイに乗って出てくるタイプです。特段違いはわかりませんでしたが(笑)

Re: No title

michaelさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

> ソニーの光学系固定方式っていうプレーヤー

そう、いくつか出ていました。いい機械をお使いだったのですね。ソニーも少し前までは意欲的なプレーヤーを出していましたが、SACD路線になってからは目を引くものがありません。
この春からの一連の更新で、以前とはまったく対照的な音の傾向になりました。まあ、しばらくこれで行きます(^^;
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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