カラヤン&BPO <スコットランド>


週末金曜日。夕方から職場の同僚数名と一献かたむける。10時少し前に帰宅。ひと息ついて一服。このところ先週末に手に入れたCDを続けて聴いている。よく思い出してみると、今年に入ってからまったく音盤を買っていなかったように思う。店に入っても心決まらずそのまま撤退。もっぱら在庫音盤の確認作業が続いていた。それでもたまにこうして新しい盤を前にすると、気分は少々たかぶってきて、続けてめぼしい盤を手にしたくなる。昨晩もこんな盤を買い物カートに入れ、しかしと思いとどまって、レジには進まず保存だけでとどめておいた。


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さて今夜も先週の釣果の確認。STAXのヘッドフォンチェックの際にチョイ聴きしたカラヤンのメンデルスゾーンをプレーヤーにセットした。3枚組の交響曲全集のうち<スコットランド>と<イタリア>が入っている盤からスコッチを聴く。1971年1月ベルリン・イエスキリスト教会での録音。録音技師はギュンター・ヘルマンス。オケはもちろんベルリンフィル。DG黄金のトライアングルだ。

何とも美しい演奏。イエスキリスト教会の長い残響にカラヤンのレガートでシームレスな歌い口が重なる。カラヤン流のこうした音楽作りは70年代に入ってからの録音で一層際立っているように思う。60年代初期のベートーヴェンやブラームスなどは、ときに荒削りな勢いや生々しさを感じることがよくあるし、BPOの音も重心が低くかつ音色も暗めだ。しかし、このスコッチを聴くとややナローな録音ながら音色はずっと明るく、荒削りなところはまったくない。70年代に入るとカラヤン&BPOはEMIでの録音を再開してチェイコフスキーやワグナーの管弦楽曲集などを出したが、そのEMI盤の音の傾向がこのDG録音にも感じられる。EMI盤はさらに残響たっぷりで音楽も少々やりすぎではないかと思うほどレガートに感じたものだ。おそらくカラヤン自身の意図によって、元々サウンドポリシーの異なるDGとEMIながら、共通点を感じさせる音作りになっていったものと思う。
もちろんこのスコッチは美しさだけでなく、力強さや迫力も申し分ない。アーティキュレーションは理にかなっていて不自然なところはない。アンサンブルも極上だ。つまりきわめて完成度が高く、文句の付けようがない。
がしかし、あえて言おう…面白くないのだ。心踊り、血が騒ぐような感興に乏しい。あのマーク&LSO盤のような沸き立つようなザワザワ感がない。あるいは味わいに乏しいといってもいい。おそらくカラヤンだけを聴いていれば、こんなことは思わないかもしれない。しかし馬齢を重ねて様々な個性豊かな指揮者たちの演奏を聴いてくると、あちこち傷のある演奏ながら、そこに他に代えられない雰囲気と味わいを感じる。

こうしてカラヤン&BPOの演奏を聴いていると、例えは適当ではないだろうが、完璧な美人すぎて、面白みも妄想もさしはさむ余地もない、そんな場面を思い浮かべる。もっとも、そうであっても美人見たさに、こうしてときどきカラヤンの演奏を聴きたくなるのも確かなのだが…


この盤の音源。第1楽章。



ペーター・マーク&LSO




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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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