ワルター&コロンビア響 ブラームス交響曲第4番ホ短調


三日ぶり十月最初の更新にして、本ブログも4年目に。これといった趣向もなく、相変わらずの記事を続けます。みなさん、引き続きヨロシクです。
さて、今週に入ってから関東地方は台風接近他の影響で気温湿度とも高い、ちょっとムッとする天気が続いている。秋本番にはまだ遠い感じだが、前回のブラ2の記事にMazaこと旧友Y氏より、そろそろ秋の曲、4番をとのコメントもあったので今夜はブラ4を。


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名演ひしめくブラームスの4番。手持の盤もいずれおとらぬ演奏ばかりだが、今夜はワルター晩年のコロンビア響との録音を選んだ。手元にはオデッセイレーベルの輸入盤と国内プレスの全集盤LPとがあるのだが、これといった理由もなく国内プレスの「ブルーノ・ワルター3000」と称するシリーズものを取り出した。1977年発売。録音は1959年。
ブラームスの魅力は何だろうと考えてみるに、今どきこんな言い方はクレームが付くかもしれないが、それは「男の音楽」という感じがしてならない。それも、ムキムキでマッチョな逞しい男のそれではなく、どこか優柔不断で煮えきらず、なおかつナルシーでマザコンでもあってと、そんな男の詠嘆とあきらめに満ちているように感じる。とりわけこの4番はその代表かもしれない。
分厚く重厚な響きながら、どこか弱さが同居する。古典的なかっちりした構成でありながら、どうしようもないロマンティシズムがこぼれ落ちる。この4番を聴いているとそんなことを感じる。
そういう意味では、先回記事したヴァントのようにまったく隙を感じさせない演奏よりは、腑抜けにならない程度にロマンティシズムに寄った演奏の方が相応しいだろうか。ワルターの演奏はその路線にぴたりとはまる。ニューヨークフィル時代の快速で熱気あふれるブラームスも名演だが、彼のために用意されたコロンビア響との晩年の録音セッションも捨てがたい。取り分けこの4番の録音は素晴らしい。テンポは終楽章が少し遅めのほかは中庸、フレーズはいずれも明確かつ自然で、美しく歌い抜かれる。これで音色が暗いと少々滅入るのだが、幸い音は明るく、この曲を悲観ばかりで終わらせない。コロンビア響はやや小型の編成の急ごしらえで、団としてのアンサンブルにも難があったといわれる。確かに、この録音を聴いてもそういう面を指摘できるだろう。しかし集められた団員達は巨匠ワルターの録音を一つでも多く残そうと思い、最善を尽くしたに違いない。そうした光景を思い浮かべながら、通常はテンポを上げて煽るように終わる終楽章のコーダで、後ろ髪を引かれるようにテンポをグッと落とすこのワルター盤を聴いていると、これぞブラームスという思いでいっぱいになる。


ジュリーニ&SKB。この人も晩年味わい深い演奏を残した。2分20秒から始まる第1楽章第2主題。付点音符のピチカートにのってチェロといホルンが歌う。極めてロマンティックな演奏。第2楽章の聴きどころは24分00秒から。ホルンの導入に続いて弦楽群が歌う。24分54秒1stヴァイオリン一瞬のヴィブラート!。そして25分15秒からのトゥッティは涙ものだ。



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ブラ4

こんばんは。ご解説でブラ4の理解がとても深まりました。ありがとうございます。拝読しているだけで涙が出そうなほど感動的なコメントでいらっしゃって・・・。ジュリーニ、素敵ですね。。(涙)
ちなみに、以前辛いことがあった時期に、チェリビダッケ&シュトゥットガルトのを聴き続けていたら頭の中に隙間風が入ってきて、しまいには枯葉が吹きすさんでますます悲しい気分になりました。たまにこの録音を聴くとトラウマのように悲しい気分になります(笑)

Re: ブラ4

ピアニッシモさん、こんばんは。
そうですか…。今夜の記事に書きましたが、ブラームスはこちらから聴きにいく音楽なので、案外危ういのですよ。その渋さをこちら側が補うと、とてつもなくセンチメンタルになってしまいます。
チェリビダッケ&シュトゥットガルト盤も手元にあります。晩年の演奏とは違ってずっと闊達な演奏。私が学生時代にはFMでこのコンビのライブ録音がよく放送されていました。

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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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