ケンペ&ミュンヘンフィル ブラームス交響曲第4番ホ短調


週末金曜日、きょうの当地関東北部は一転、肌寒い一日となった。太陽顔を出さず、いくらか雨も降った。もちろんまだ暖をとるほどではなく、エアコン不要で静かな室内は音盤リスニングにはベストシーズンだ。
きのうのブラ4の記事に、ピアニッシモさんからコメントいただいた。そのコメントにもあったようにブラームスの曲は、こちら側の心理状態次第で、かなり精神的に<効いてくる>音楽だ。もっと感情をあらわにした曲、お涙ちょうだい路線の曲はたくさんあるだろう。それらの比べるとブラームスの曲想はずっと控え目でさりげない。お涙ちょうだいの2歩手前くらいで留まる。そのあたりが<渋い>といわれる由縁だ。しかし、その2歩の間隔を聴く側から詰めようとすると、ケッコウ危うい。渋さでこらえていたはずの感情が一気に吹き出し、メロメロになりかねない。まあ、そのあたりもブラームスの魅力でもあるのだが。
さて、凝りもせずきょうもブラームスいきます。さらに渋くルドルフ・ケンペ。
たまには最新録音の盤でも出せヤイ!と言われそうだが、スミマセン、持っていません(^^;


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手元に70年代後半にでたLP盤で4曲が揃っている。80年代初頭に、今は無き数寄屋橋ハンターで買い求めた記憶がある。このケンペ&ミュンヘンフィルの盤は短期間にレーベルがあれこれ変ったため、手持ちの4枚にはBASF・ACANTA・LIBEROの三種類ある。きょう聴いている4番はACANTAレーベル。いずれも日本での発売はテイチクだった。
演奏はまったくもって誠実で生真面目。妙な演出や仕掛けはない。こう書くと何か不足がありそうにも聞こえるかもしれないが、そんなことはない。よく言われる、スコアをそのまま音にしたような演奏という表現がぴたりだ。ミュンヘンフィルは飛びぬけて巧いという感じはしないが、各パートは明瞭に分離し、アンサンブルもよく整っている。バランスもまったく自然だ。明確なフレージング、ほどほどに(ヴァントほどではなく)引き締まったリズムと造形。そういう美点が生きるという意味では、4つの楽章の中でも終楽章の演奏がとりわけ見事だ。各パートが絡み合う変奏をクリアに描き分けていて申し分ない。正統派ドイツのブラームスを堪能できる名盤だ。


最近アップされたケンペ&バンベルク響のブラ2第1楽章の一部。ケンペはこの演奏の三年後に急逝。こんなに元気だったのに…



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No title

マエストロ・与太さん、はじめまして。群響、音楽、オーディオ、ギター…私と共通点がありまして、お宅さんのブログに漂着いたした次第です。楽しく素敵なブログですね。ブログをずっと続けられて素晴らしいです。私は根気がなくて。

ケンペのブラームス集は、LP時代の私の最愛聴盤です。何度聴いたか分かりません。佳い演奏のご紹介、ありがとうございます。
 この4曲の演奏には目を見張るものがあります。第1番の第1楽章冒頭の堅実で柔らかな音の進行など、本当に痺れます。かと思うと、この4番の第1楽章の第1、第2主題部の振幅の大きさ。曲ごとに演奏の性格を分けていることは計算されたものと思います。素晴らしいです。

群響は、昨日、エルガープログラムの東京公演に行ってきました。たくさんのお客さんの入りにびっくりしました。同県人として、嬉しかったですね。

ヤギというかヒツジというか

こんにちは。
ケンペのブラ4のジャケットを見ると
おとなしそうな草食動物を連想する木曽のあばら家です。
ケンペ盤は私が初めて買ったブラ4のLPで、
行きつけのレコード屋さんの親父の推薦でした。
地味だけど温かみのある名演奏でした。
これで慣れちゃったもので、その数年後にクライバーの録音を聴いた時は衝撃でした。

Re: ヤギというかヒツジというか

木曽のあばら屋さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
ケンペの盤はちょうど私が学生の頃、70年代半ばに日本でも盛んにプロモーションされていました。ブルックナーの5番、8番のLPも手元にあります。このブラームスはその後しばらくしてから中古盤で手に入れました。当時は少々物足らない印象でしたが、中では2番がはいい演奏でした。いま聴くといずれも滋味豊かでシミジミと耳を傾けてしまいますね。

あっ、草食動物ね…確かにそう見えます(^^;

Re: No title

バルビローリさん、もといバルビさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
エルガープロの東京公演に行かれたのですね! 私も高関時代の2000~2006年頃は東京公演のオッカケも含めてほとんどのコンサートに足を運びました。 その後しばらくご無沙汰でしたが、この春からまた時々通っています。遠山信二時代から知る世代としては、高関時代以降の群響は隔世の感がありますね。すでにご覧いただいたかもしれませんが、昨年夏には、少し前に時代の群響を記事に書きました。こちら ⇒ http://guitarandmylife.blog86.fc2.com/?q=%E7%89%B9%E9%9B%86%EF%BC%9B%E7%BE%A4%E9%A6%AC%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%A5%BD%E5%9B%A3
ギターの弾かれるのですね。これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

渋いこと

こんばんは!更なるご解説ありがとうございます。「渋い」の意味がよく理解できました。ブラームスを聴くときは要注意ですね(笑)。
それから、申し遅れまして失礼いたしました、ブログ4年目とのことおめでとうございます!これからも日々拝読し勉強させていただきたいと思います。
ところで、つい今しがた、わたくしのアメブロに与太さんのリンクを貼り付けさせていただきました。大変遅くなりました~(涙)。今まで方法が分からなかったのに、なぜかさっき急に機能の意味が分かった次第です(笑)。私のページの右側「ブックマーク」ということろにございますのでよろしければご覧いただけますと幸いです。

Re: 渋いこと

ピアニッシモさん、おはようございます。
度々コメントありがとうございます。またブックマークに加えていただき光栄です。
ブラームスの渋さって、何となく男のイメージが付きまとうので、以前女性はどんな風に感じるのかなあと思ったものですが、その辺りの感じ方は男女を問わない共通領域のようですね。男でも女でも、感じる人は感じる、感じない人は感じない・・・(^^; まあそういうことですね。
四年目に入ったものの、相変わらず個人的な備忘録としての与太ブログですが、引き続き宜しくお願いいたします。

プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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