閑話休題&シューリヒト<ライン>
連休を利用して八ヶ岳方面へ出かけてきた。その昔、山歩きをしていた頃以来だから、とんでもなく久しぶりだ。当地からは行程の半分ほど高速を使って130km、2時間半のドライブ。先週までの暑さも遠のいて爽やかな秋の好日に恵まれた。もちろん山を歩く体力・気力はもはやなく、清里周辺をウロウロするだけの中年ミーハーに終始した。折からあちこちにハロウィンの飾り付け。広大な自然と、都会的商業主義の同居。若い頃はそんな光景に眉をひそめたものだが、もう目くじら立てることもなくなった。




けさ宿泊先の食堂ホールで流れていたシューマンの交響曲が耳に残っていて、帰宅後、先日少しまとめて手に入れたシューリヒトの盤から第3番変ホ長調<ライン>を取り出してプレーヤーにセットした。南ドイツ放響(現・シュトゥットガルト放響)との1960年録音。コンサートホール盤の復刻中の一枚。以前から、シューリヒトのこのシューマンの演奏は独自の味わいを持つ名演とされてきた盤だ。

シューマンの4つある交響曲はいずれもドイツ物の交響曲の中では好きな曲のかなり上位に位置する。手元にはサバリッシュ&シュターツカペレドレスデン、コンヴィチュニー&ライプツィッヒゲヴァントハウスO、クーベリック&バイエルン放響(DG盤)、クレンペラー&フィルハーモニアOなどの全集盤がある。そうした演奏と比べる、このシューリヒト盤は抜きん出て個性的だ。
第1楽章の出だしから速いテンポと拍の頭でビシッビシッと決まる小気味よいアインザッツ、そしてフレーズのそこかしこに明確なアーティキュレーションを示していく。一気呵成ではあるが力ずくではない、しなやかなで生き生きとしたフレージングにシューリヒトの真骨頂がよく現れている。 意味のないことと知りながら、チェリビダッケ&MPOと演奏時間と比べてみると、チェリビダッケ盤が全5楽章に39分を要しているに対し、このシューリヒト盤は30分に満たない。ドイツの深い森のイメージやとうとうと流れるラインの流れでなく、もっと活気と生命力に満ちたライン川といったらいいだろう。古いコンサートホール盤の持つ冴えない録音というイメージも、リマスタリングの成果著しく、手持ちのSTAXで聞き耳と立ててみたが馬脚を現すこともない。シューリヒトの音楽表現の意図同様、細部までクリアによく録られていて驚いた。もっと深くたっぷりとした響き、うっそうとしたシュヴァルツヴァルトをイメージする演奏を求める向きにはお勧め出来ないが、若々しく生気にみなぎるシューマンは一聴に価するだろう。
この盤の第1楽章。
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