イザイ 無伴奏ヴァイオリンソナタ

きょうは午後から都内で打合せ。日中も暖かな日和だったが、夕刻打合せを終えて外に出ると昼間以上に暖かく感じるほどだった。あまりの暖かさに師走に入ったことを忘れそうになったが、ターミナルやオフィスビルのあちこちにはイルミネーションも点灯して気分だけはクリスマスそして年末だ。ここ数年でイルミネーションも青や白のLEDが多くなった。かつての電球色とは好対照だが、これはこれで現代的な都会の景観や雑踏にマッチするし、張り詰めた冷気を感じさせて、この時期によく合う。ぼくの住む北関東の田舎でも同じようなイルミネーションを最近よく見かける。しかし、どうも人影まばらな田舎町に最先端のクールな光はそぐわない。田舎は田舎で、家々の明かりが暖かくともればそれで十分だと思うがどうだろう。


イザイ 無伴奏ヴァイオリンソナタ


今夜は野暮用に時間を取られているうちに、夜もすっかり更けてしまった。とはいってもそのまま床につくのも味気なく、1枚だけ音盤を聴くことにした。大したことはしていないのだが、半日の出張で心身ともいつもと違った疲れがある。こんなときは音楽も少しひんやりした感触のものがいいかと思い、イザイの無伴奏ヴァイオリンソナタと取り出した。NAXOSレーベルの1枚で、80年代に名だたる国際コンクールを総なめにしたイリヤ・カーラーが演奏している。イザイといっても、実のところは作曲家としては、この無伴奏だけが突出して有名で、一般の音楽愛好家にはそれ以外の曲はあまり馴染みがないのではなだろうか。実際、ぼくもこの盤以外に何も持っていない。この無伴奏ソナタは、その名から想像する通りバッハのそれを意識して書かれた。第2番などは、冒頭からバッハの第3番がそのまま出てきたりする。このソナタは一聴すると何とも不思議な感覚になる。どの曲も調性感があり、曲の組み立ても古典的なのだが、常にどこか暗く不安な空気が支配しているように感じる。その不安定で抽象的、神秘的な空気が、夜のこの時間に聴くにはむしろいい。こちらの心が何故か落ち着き、平静になる。不思議な魅力をもった曲の一つだ。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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