F・クープラン 5つの小品


さて週末金曜日。今週もせっせと(…でもないか)働きましたよ。何やら明日は関東地方十六年ぶりの大雪の予報が出ている。1998年の大雪はよく覚えている。車が通らない路地の多い拙宅周辺では、町内いっせいに雪かきをした記憶がある。そのとき音頭を取っていた2軒先のおじいさんもあのあと数年して亡くなったっけ…。


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ところで…探していた楽譜が手に入った。
石月一匡編のチェロとギターのための二重奏曲集。1988年に初版が出てその後久しく絶版だったものを、石月氏が亡くなった数年前に夫人が氏の業績を残したいと他のいくつか楽譜と共に先年復刻した。昨年秋からチェロ弾き女子との二重奏を始めるにあたり、真っ先にこの楽譜を手に入れようと思っていたのだが、元々印刷部数も少なかったのだろう、すでに版元売り切れ。いくつかの販売店のネット通販サイトでも売り切れだった。なかば諦めていたのだが、まあここには無いだろうがと問い合わせた店に在庫があった。石月氏はクラシックギタリストとしての活動と同時に、楽譜の出版、取り分け古典派全般の室内楽に通じ、その領域の編曲にも力を注いだ。クラシックギターといいながら、実はクラシカルな古典音楽、もっと具体的にいえば、18世紀末から19世紀初頭のウィーン古典派に通じている人はプロアマ共に多くない。これは他の楽器と大きく異なる。そのことについては、また機会をあらためて書きたい。さて、めでたく手に入れた楽譜。収録曲は以下の通り。

ボッケリーニ/ソナタ イ長調、ベートーヴェン/変奏曲ニ長調、F.クープラン/5つの小品、サンマルティーニ/ソナタ ト短調、テレマン/ソナタ ホ短調、モーツァルト/ソナタ ト長調、ブレヴァル/ソナタ ト長調、メンデルスゾーン/無言歌Op.109、ボッケリーニ/ソナタ イ長調、フォーレ/夢のあとに、サンサーンス/白鳥、ハイドン/アダージョ(チェロ協奏曲より)、ヴィヴァルディ/ソナタ ホ短調、チャイコフスキー/感傷的なワルツ

チェロオリジナルの作品他、テレマン、モーツァルト、ベートーヴェンはそれぞれヴィオラダガンバ、ファゴット、マンドリンからの編曲。白鳥は仕方ない(笑)として、バロックから得意の古典派を中心とした選曲に好感が持てる。その中でF・クープランの5つの小品は、例のカザルスのホワイトハウスコンサートの盤で親しみ、学生時代から好きな曲の一つだ。今夜は久々にそのカザルス盤を取り出して聴いている。バズレール編による演奏。荘重なプレリュードは悲しみを湛え、シシリエンヌも短調ゆえの静けさと落ち着きをもって進む。
石月編のギターパートはアマチュア上級レベルだろうか。名曲集として安易な編曲に終わってはいないようだ。3月にはチェロとの二度目の練習を予定しているが、そのときにはこの楽譜で少し遊んでみたいところだ。


カザルス:ホワイトハウスコンサートのB面。クープランから始まる。ピアノはホルショフスキー。
http://youtu.be/DWb3IbSQRKM


比較的音質が良かったので選んでみた。モダンスタイルの演奏。ピアノ伴奏版。


以前も貼ったヤニグロと手兵;ザグレブ合奏団による演奏。



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ヤニグロのクープラン、オケと向き合って弾いているスタイル、初めてみました。音がいいですね。そのあと、動画がメネセスのエルガーになりました。

Re: タイトルなし

7de45さん、こんにちは。
ヤニグロはチェリストとザグレブ室内管弦楽団の指揮者との二つの顔がありますが、この映像はその両方を確認でき、とても貴重ですね。背筋の伸びた高貴なイメージが素晴らしい!!
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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