北欧物 シベリウス 組曲「恋人」

昨晩聴いたグリーグの抒情小曲集、一昨日のスウェーデン出張の思い出話つながりで、今夜も北欧モノを聴くことにした。取り出したのは、80年代初頭東芝EMIから「北欧の抒情シリーズ」と銘打って一連のアルバムが発売された際に入手した1枚だ。北欧ときたら、やはり熱情ではなく静寂、抒情だろうか。確かに北欧は人口も少ないし、ぼくの少ない体験では人々も口数が少ないように感じる。都市部も田舎も整然としていて、熱狂・雑踏・混沌といったイメージとは対極だ。「北欧の抒情シリーズ」というタイトルは、いかにもそうしたイメージにぴったりで、当時そんな雰囲気も気になって買った1枚だ。


シベリウス 管弦楽曲集


この盤には、フィンランドの作曲家シベリウスの管弦楽曲から、カレリア序曲、組曲「カレリア」、組曲「恋人」、「吟遊詩人」、劇音楽「クリスティアン2世」組曲といった曲が収められている。いずれも北欧とは縁の深い英国の団体、スコティッシュナショナル管弦楽団、シンフォニア・オブ・ロンドン、ハレ管弦楽団などが演奏している。収録曲の中では英国の名指揮者バルビローリとハレ管弦楽団が演奏する「恋人」がぼくのお気に入りの1曲だ。この曲が入っていたがゆえにこの盤を買った記憶がある。この「恋人」もそうだが、北欧のクラシック音楽は音の重なりを控えめにした透明感のある管弦楽の響きを基調に、時に厚い管弦楽や打楽器のクサビによって秘めた情熱が表出する。シベリウスの交響曲のいくつかやヴァイオリン協奏曲などがその典型だ。「恋人」などもそうした曲想を備えていて、情熱の表出も穏やかで、決してうるさかったり過剰なものではない。一方、心深くに響き、染み渡るロマンティシズムも感じるが、甘ったるさや主情的な感触はない。あくまでクリアで、澄んだ空気の気配を感じさせる。そんなところが北欧音楽の魅力だろうか。他には劇音楽「クリスティアン2世」組曲もまさに抒情的なロマンティシズムにあふれていて美しい。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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