カラヤン&PO ベートーヴェン交響曲第8番ヘ長調


温暖化といわれ始めた頃から、5月の連休明けには25℃超えの夏日になって、半袖で過ごしたい日もしばしばあるという認識でいるのだが、今年の関東地方では「あっ、夏が来たぁ」という感じの日が今までほとんどなかった。そんなことを考えていたが、ようやくきょう、山梨甲府で30℃超えの真夏日だそうだ。あすには関東一円で夏日、真夏日が到来するらしい。今年の夏はどうなりますか…。さて、きょうも9時過ぎに帰宅。ひと息ついてそろそろ日付が変る時刻だが、何か聴こう。先日、ベートーヴェンの4番を聴いたが、その4番と同様、ベートーヴェンの交響曲の中では小規模なもう1曲、第8番を聴くことにした。


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手元にある何種類ものベートーヴェンの交響曲全集盤を物色しつつ決めきらないでいたが、音盤棚隅に古いレコードを見つけ、それを取り出した。ぼくら世代には懐かしい、カラヤンベスト1500と称した70年代のEMI廉価盤。モノラルからステレオ初期にかけてカラヤンがフィルハーモニア管といれた一連の録音の一つ。貧乏学生時代の当時、DGのレギュラー盤に手が出なかった頃に、廉価盤でカラヤンが聴ける唯一の選択肢だった。ベートーヴェンの4・5・6・8・9番、チャイコフスキーの4番、シベリウスの2番といった曲を知ったのは、このシリーズのお陰だった。当時を思い起こしつつ、久々に針を降ろした。

EMIに残されたカラヤンとPOとの録音は、彼がDGでBPOと怒涛の録音ラッシュを開始する少し前の50年代前半に行われている。その多くがモノラルで、70年代に発売されたときには、擬似ステレオ処理されていた。手持ちのこの盤は4番と8番のカップリングで、ジャケットの隅には「このレコードは最新の技術によりモノラル録音をステレオ化したものです」と付記されている。8番に限ってはオリジナルは55年録音のステレオ録音だが、この当時にどう処理されていたかは定かでない。いずれも音は悪くない。SNも十分確保されているし、擬似ステレオの処理も不自然さはまったく感じない。

このコンビの演奏は実に颯爽としていて、壮年期のカラヤンらしさに満ちている。序奏なしで晴々と始まる第1楽章冒頭の第1主題。最初のわずか4小節のフレーズに、この曲のイメージが凝縮している。前半2小節はメロディアス、後半2小節はリズミック。スコアそのものの音だ。この曲は規模こそ大きくはないが、機知に富んでいて面白い。第1楽章の展開部などは力が入りながらも、どこかニヤッとしてしまう。終楽章もファゴットやティンパニのユーモラスなフレーズが印象的だ。

ピリオドスタイルも一般的になった昨今では珍しくないが、半世紀以上前の50年代当時にこういう颯爽としたスタイルの音を目指していた筆頭がカラヤンだ。彼が影響を受けたというトスカニーニも速めのテンポと短いフレージングで19世紀スタイルからの脱却を目指したが、カラヤンと比べるとずっと武骨で力に満ちている。カラヤンの演奏は流れるようにしなやかな力にあふれている。指揮者ばかりが、オケの面々も胸を張って颯爽と弾いていたのではないかと思わせる。DG時代の60年代、70年代のBPOとの全集盤も手元にあるが比べるまでもなく、POは録音ポリシーの違いもあってBPOほどの重量感はないものの、EMIのプロデューサ:ウォルター・レッグが腕利きを集めて作ったオケらしくアンサンブルは極上。管楽器セクションも巧い。ホルンにはデニス・ブレインがいたはずだ。

その昔、神田にあった老舗中古レコード店の名物オヤジが言っていた。「演奏家の多くが再録を繰り返すが、ほとんど間違いなく最初の録音がいい。」カラヤンはこのPOとの全集以降、ほぼ10年ごとに全集を再録したが、このオヤジの言う「真理」は当たっているかもしれない。


このコンビによる第1番。今となってはかなりロマンティックな解釈。そしてカラヤン流のレガート。



8番。バレンボイムによる、ややオールドファッションな演奏。オケは例のユダヤ・アラブの若者連合オケ。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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