ボロディン 弦楽四重奏曲第2番ニ長調


きょうの当地群馬県南部は、朝のうち少々風が強かったがほどなく収まり、穏やかに晴れて静かな一日となった。今年は夏が長かったことと10月なっても秋晴れの日が少なく、11月になって一気に秋が深まった。実際天気の様子をYahooで調べてみると、10月は曇天が多かったのだが、11月になって一気に晴天率が高くなった。日本海側の生活圏では考えられない冬季の晴天率だろう。ぼくは学生時代を北陸金沢で過ごしたのだが、この天気の違いは北関東から生活圏を移したぼくには当時最大のカルチャーショックだった。
さて明日からまた1週間が始まるという晩、久々にボロディンの弦楽四重奏を聴くことにした。カルチャーショックで冬の鬱々とした天気の中で過ごしていた70年代半ばの学生時代、夜11時からのNHKFMクラシック番組「夜のしらべ」で、テーマ曲にこの曲の第3楽章が使われていた。「夜もだいぶ更けてまいりました。」というアナウンスで始まったその30分の番組は一日の終わりに聴くに相応しい落ち着いたクラシックを流していたのを思い出す。


ボロディン 弦楽四重奏曲第2番


何度聴いてもこの曲は美しい。くだんのFMテーマ曲に使われた第3楽章;夜想曲はそのタイトル通り、夜のしじまに染み渡るようなチェロの深々とした旋律で始まる。甘美で抒情的なメロディーは凍てつく冬の張り詰めた空気に合うし、あるいは魅惑的な春の暖かな宵にも相応しい。途中冒頭のモチーフを各パートが受け渡しながら繰り返すくだりは、仲間たちの穏やかで秘めやかな会話を聞いているかのようだ。そして忘れてならないのは、この曲の第1楽章の素晴らしさだ。ここでも冒頭チェロの一気に引きつけられる美しい旋律で始まる。ボロディンは19世紀半ばのロシア五人組みの一人として活躍した作曲家で、ロシア国民音楽の創出につくした。作品数は多くなく、ぼくら一般的なクラシックファンが聴く曲も、この四重奏曲や交響曲第2番、そしてかつては中学校の音楽の授業で必ず聴いた「中央アジアの草原にて」といった程度かもしれない。しかしそのいずれもが異民族の交流ポイントでもあった中央アジア周辺のエキゾティックな様子をイメージさせる。そこにはアジアそして日本音楽のルーツでもあるペンタトニックを効果的に散りばめた美しい旋律があふれ、いつもぼくらを引きつける。




にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

そんな番組ありましたねぇ

こんばんわ。
やはりNHKはテーマ曲をしっかり選定または作成する局ですね。

Re: そんな番組ありましたねぇ

本多町一丁目さん、こんばんは。与太です。

一丁目でしたっけね、「諸事の現場」は。…と、内輪ネタでした。
閲覧、コメントありがとうございます。今後ともよろしくです。
委細またメールでも下さい。




プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
QRコード
QR
閲覧御礼(2010.10.01より)