SOULNOTE社訪問 RM10試聴

以前から気になっていたスピーカー:SOULNOTE社RM10を試聴してきた。
試聴のため向かったのは神奈川県内、小田急線柿生駅近くにある同社の本社兼試聴室。一般のオーディオ製品であれば秋葉原あたりの店で試聴できる。SOULNOTE社の製品も一部はそうした店での試聴が可能だが、お目当てのスピーカーRM10に限ってはそれが出来ない。そもそも生産数が限られているし、広くたくさん売ろうというモデルではないのでやむをえない。


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新宿から急行と準急を乗り継いで柿生駅に到着。そこから歩いて10分ほどの一般住宅地。同社本社もその中の一軒。約束した時刻に伺うと同社の社長兼開発者の鈴木氏が迎えてくれた。ひと息ついたとことで、さっそく試聴室に案内していただき、RM10の音出しとなった。


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試聴室といっても一般住宅の6畳間。「この環境なら、多くの人にとって現実的でしょう」と鈴木氏。その通りで、絨毯敷きの立派な試聴室でも、騒音混じりの量販店店頭でもなく、一般生活空間の近い条件の試聴なら、自宅にセットした際の再現性も確認できる。仕事場兼用の試聴室。長々とオーディを談義をする場ではないので長居は禁物。日頃慣れ親しんでよく音の特徴を分かっているディスクを持参し、てきぱきと再生していった。

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サイズでいえば小型ブックシェルフ型の範疇に収まるRM10。まずその音の生々しさに驚く。以前使っていた2S-305の共通するリアルな音。鈴木氏はマランツでの開発担当時代にNHKとの関係で305は十二分に承知していて、「305は原器」とのこと。今回のRM10も305同様、シンプルなネットワークで低音・高音の位相合せに注力し、鮮度の高い音を目指したという。25ミリ厚のアルミ削り出しのバッフル板、吸音材の排除、明確なメカニカルアースの確保、そうした一つ一つこだわりのスペックが奏功し、圧倒的にリアルな音像表現を達成している。低域25Hzの仕様値も伊達ではなく、低域の再現性を確認しようと思って持参した、ホリー・コールや熱帯ジャズの盤でも期待通りのレスポンスが聴けた。ヤニグロの盤では、50年前の録音ながら作為のない音で録られたヤニグロ全盛期の演奏が目前に展開する。クーベリックとバイエルンによるマーラー5番のライヴ盤では、広々としたホールに響く奥行きと広がりの空間表現も再現も申し分ない。

オーディオ的な良し悪しという話ではなく、音楽がその場でリアルに展開するかどうかの視点が重要との鈴木氏のコンセプトは、楽器作りとまったく同じ要素を持っていて、RM10はご自身プロ級のギター弾きである鈴木氏の面目躍如の作品といえるだろう。


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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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