シューリヒト&BRSO ブラームス 交響曲第4番ホ短調


三連休初日、好天の土曜日。いつものようにボーッと過ごす。
午前中、14歳7ヶ月になった老犬ラブラドールレトリバーのシャンプーでひと働き。午後には近々合わせる予定のPorro編<グランドトリオ~モーツァルトによる>をさらう。夜半近くなって、秋のひんやりとした空気を感じつつ、音盤タイムとなった。


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昨年秋に何枚かまとめて入手したカール・シューリヒトの盤から、ブラームスの4番を取り出す。オケはバイエルン放送交響楽団。タワーレコードと日本コロンビアによるコンサートホール原盤復刻シリーズの1枚。1961年ミュンヘン録音。昨年のリリースに際して、日本コロンビアが所有するアナログマスターテープから192KHz・24ビットリマスタリングされたもの。

シューリヒトはもちろんリアルタイムで経験したわけではない。ぼくら世代の同胞と同じく、もっぱらレコード雑誌、とりわけ宇野功芳の文章に感化されたクチだ。とはいっても当時から現役盤は少なかったし、古いコンサートホール盤の冴えない音質もあって、ぼく自身にとっては決して馴染み深い指揮者というわけではなかった。それでも相変わらずシューリヒトの人気は高く、こうして復刻盤が出るに及んだようだ。シューリヒトのコンサートホール盤はSWR(南西ドイツ放響)によるものが多いのだが、このブラームス第4のオケはバイエルン放響が受け持っている。

演奏は中々味わい深い。シューリヒトらしく速めのテンポであっさりやるのかと思っていると、意外にもそうばかりではない。快速調のあっさりしたフレージングを基本にしてはいるのだが、時折り、いくつかのフレーズでスッとテンポを落としたり、あるパートにスポットライトを当てるように強調してみたりと、かなり細かなコントロールをしているのが分かる。第1楽章は切々とよく歌う。響きは引き締まり、フレージングはもたれず、すっきりしていながら、どこかはかない。第2楽章はテンポも中庸で、いっそうしみじみと胸にしみる歌いっぷりだ。

オケの状態は他のコンサートホール盤で聴くSWRよりも、やはりバイエルン放響の方がよく、明らかに格上だろう。もちろん、ヨッフムやクーベリックとのDGでの録音バランスとは違うので、それほどの重量感は感じられないが、各パートの分離は良好だし、コントラバスの動きもよく分かる。これは録音条件ばかりではなく、ベースにあるシューリヒトの解釈と音作りによるところが大きいだろう。 ブラームスの4番は秋の交響曲というに相応しいと思うが、このシューリヒト盤は枯れた晩秋の趣きではなく、よく晴れた青空ゆえの一抹の寂しさを感じさせる名演だ。


この盤の第1楽章。



ハイティンクが中編成のCOEを振った演奏。2011年のプロムス。
ハイティンク当時82歳とは思えない若々しさ。


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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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