弦楽器フェア2014


昨日土曜日、弦楽器フェアに行ってきた。今年で57回目。日頃は音楽を演奏するための<道具>である楽器が<主役>となる展示会。ヴァイオリン属擦弦楽器とギター・リュート属撥弦楽器を扱っていて、武道館に程近い科学技術館で毎年この時期に行われる。前回行ったのが2011年だから、三年ぶりだ。今回はこれといって目的があるわけでもなく、何となく的にぶらついてきた。フェア全体の印象は前回とあまり変らなかったが、個人準会員の出展がなくなってから、特にギター・リュート属の展示は一層さびしくなった。モダンギターのほかには、小型のルネサンスリュートが2本あるだけで、バロックギターや大型のアーチリュートといったものも見られなかった。ヴァイオリン属はさすがに華やかさがあるが、それでも一時期よりは展示ブース、個人製作家とも縮小された感じだ。

ギター展示コーナーでは、田邊雅啓さんがすぐに声をかけてくれてしばし歓談。8月に工房へ行ったとき製作中だったトーレスモデルが予定通り完成して展示されていた。短時間ながら試奏したが、小型のボディーとは思えないほど低いウルフトーンを伴った低音が素晴らしい。いかにもボディー内の空気負荷を背負っているような重量感のある低音で驚いた。高音はまだ出来たての楽器なのでカリッとした反応は少ないが、ガット弦かアクイーラ社のナイルガット弦を張ってみたくなる。

強力お薦め田邊ギター
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フステロ社製D・エステソ型の糸巻きがGood!
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久留米で製作としている中山修さん(中山さんとの出会いはこちら)とも数年ぶりに再会。お元気そうで何より。竹製ギターは順調なようで、最近37年ぶりに松とローズでオーソドクスなギターを作ったとのこと。竹製ギターの近作を試奏してみたが、以前の印象と比べ、低音・高音とも太く逞しい音に変貌していた。全盛期60年代のラミレス工房で9年間の修行を積んだ成果が、いまようやく開花している感あり。

中山修作の竹製ギターを試奏。足台もバンブーwww
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併設のホール行われたプロ演奏家による展示楽器の弾き比べミニコンサートも、チェロ(門脇大樹)、ギター(大萩康司)、ヴァイオリン(二村英仁)、それぞれ30~45分の演奏を楽しんできた。チェロではブラームスやベートーヴェン、ドビュッシー、ショパンのチェロソナタからいくつかの楽章、ヴァイオリンではR・シュトラウスのソナタ第3楽章、サラサーテのバスク奇想曲、ベートーヴェンのロマンスへ長調など、ミニコンサートとしても十分な内容だった。ヴァイオリンやチェロの弾き比べは初めて体験したが、微妙な違いはともかく、明らかに一頭抜きん出るものはすぐに感じ取れた。一方、ギターの比較は難しい。300名ほど入るデッドなホールで、ヴァイオリンやチェロに比べ明らかに音量は少なく、ホール後方の席で聴く限り、明確な違いは分からない。音の通りはいずれも大きな違いはなかったので、どれもが一定の水準以上であることは間違いない。もっとも弾く側も、初めての楽器と手にして慣れる間もなく弾くので、ぞれぞれの楽器の能力をすべて引き出すのは難しいだろう。

ヴァイオリン属の関係者はほとんど知らないので分からなかったが、ギター関係では出展している製作家のほかにも、演奏家では福田進一、宮下翔子などを見かけた(宮下さんのブログにはさっそく報告が)。業界関係者の年に一度のご挨拶会的な要素もあるのだろう。 以前のような面白みに欠けるという意見も多いが、そういって足が遠のいてばかりでは、ますます衰退しかねない。楽器購入の下調べや製作家の最新の成果を確認するには価値ある展示会だと思う。


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お二人が!

久留米の中山氏のお話はブログで読み、大変感動しました。栃木の田邊ギター工房のことも、ブログにありましたね。そのお二人に弦楽器フェアで、同時にお会いできたなんて、フェアならでは、ですね♪素晴らしい!

Re: お二人が!

ナタデココさん、こんばんは。
中山修さんとのことは、自分でも運命的と思えるほどの驚きでした。今回のフェア出展者リストで名前を見つけ、再会出来るかなあと思っていましたが、首尾のよくお会い出来ました。田邊さんも、若手の中ではもっとも評価の高い製作家の一人でしょう。年代と超えて交流出来るのも、音楽の世界ならではです。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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