ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番ヘ短調 <セリオーソ>


きょうは仕事で霞ヶ関へ。中央省庁のクールビズ期間も終わったので、久々にスーツにネクタイで気分引き締め。ついでも身体も引き締め…と、そうはいかないが、数か月ぶりのスーツで心配したウェストは程々のタイトさをキープ。2年前からすると10キロ減の現状を何とか維持で上出来、上出来(^^;
さて、帰宅してフ~ツとネクタイ、もとい、ベルトを緩めてひと息ついたあと先日の続き。近々行く予定の弦四コンサート予習を兼ねて音盤タイムとなった。


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ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番ヘ短調<セリオーソ>。手元にはABQ:アルバンベルクカルテットの盤(初回録音)もあるが、今夜はバリリSQのモノラル盤を取り出した。この盤は、随分前に第1番を聴いて以来だ。<セリオーソ>というベートーヴェン自身が付けた題名通りの曲想。中期から後期に至る狭間に作られ、ラズモフスキーセットのような問答無用の充実感とはひと味違う凝縮感。全4楽章通しても20分程で決して大きな曲ではないし、いかにもベートーヴェンという展開に圧倒される感もない。

第1楽章は切羽詰まったような主題で堰を切ったように始まるが長くは続かず、ふと緊張の糸を緩めたように力を抜くフレーズが現れる。以降も所々煮え切らない様子が続く。 第2楽章は安息に満ちた主題で始まる。しかし不安そうな気配が続き、意味深長な減七和音で擬終止したのち 第3楽章がアタッカが始まる。 第4楽章も哀歌を聴かせながらも、最後は突然あっけらかんとしてFdurに転じてしまう。ベートーヴェン自身の模索とも諧謔とも言われる理由がよく分かる曲だ。同時に、聴く側にも疑問を投げかねるようなこの曲も、ラヴェルと<死と乙女>の間に挟むというコンサートプログラムでは、また違った印象を残すかもしれない。

バリリSQの演奏は、たっぷりとしたヴィブラート、時に波打つような大きな抑揚表現など、現代的視点でいうと、ひと世代前のスタイルなのだろうが、モノラル盤の太く温度感のある音質も手伝って、この曲の凝縮感に程よい肉付きを与えたような演奏で、中々好ましい。


バリリSQによるこの盤の音源。




アフィアラ・カルテットという若い団体の演奏。
北米随一のバンフ国際弦楽四重奏コンクールでの覇者とのこと。



G・マーラーはベートーヴェンやシューベルトなどの曲をいくつか編曲・改編している。この<セリオーソ>にもマーラー編の弦楽合奏版がある。当然だが、弦四編成とはまったく印象が異なる。マーラーの意図通りだろうが、ロマン派色が濃厚になり、そぎ落とされた凝縮感でなく、悲劇性と同時に豊かな抒情性が表出する。素材の良さは紛れもなしというところだろう。大阪の音大生によるオケによる演奏で第1楽章を貼っておく。(第2楽章以下もあり)



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ベートーベン中期

先日、この曲を生で聴きました。

その前日には、ベートーベンの中期の曲(チェロソナタ3番と、ピアノトリオ 幽霊)で初期の曲(バイオリンソナタ1番)を挟んだプログラムのコンサートに、いきました。アンコールは、バイハオリンソナタと同時期のピアノトリオ 街の歌でした。

以外と、ベートーベンにこだわって、中期と初期を取り混ぜたようなプログラム構成の演奏会は少ないそうです。

2日間連続して中期の曲を聴く機会があり、なんとなくですが、初期と中期の違いを感じさせられ、あらためて中期の曲はよいな ーと感じました。

Re: ベートーベン中期

ナタデココさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

今どき本格的というか渋いプログラミングというか、素晴らしいコンサートだったようですね。私も含めて、クラシカルな楽器を弾かずに、ただ音楽を聴くだけという人間には、室内楽は取っ付きにくいカテゴリーだと思います。音楽があまりに凝縮されていて、聴く側も緊張を強いられる感があります。特にベートーヴェンなどはそうですね。BGMとしてノンビリ聴くというわけにはいきません。 だからなお更、時々無性に聴きたくなります。
初期と中期、ハイドンの時代を重なるとはいえ、ベートーヴェンの初期はやはりすっきりした古典的構成感だけではない、中期作品につながる重みと深さがあるように思います。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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