セルの第九


12月に入った途端にこの冬最初の寒波到来。きのうきょうと関東一円も冷たい北風が吹きぬけた。あす以降いったん雨模様のなったあと、週末から来週にかけて一段と強い寒気到来の見込みだ。
きょうは事情あって仕事は休み。朝、目覚ましと格闘することもなく惰眠をむさぼる。世の中は当然平常通り、こちらも一日で日常復帰するので、あまり弛緩しきるわけにもいかない、週の真ん中の休みというのは何となく落ち着かない、などとぶつぶつ言いながらも、一つ二つ用件を済ませ、夕方には散髪もして一日有効に過ごした。ありがたや休日(^^; 
さて、夜更けて音盤タイム。先日のクリップスの第九に続いて、今夜はセルの第九をプレイヤーにセットした。


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しばらく前に入手したセル&クリーヴランド管によるベートーヴェン交響曲全集の中の1枚。1961年4月クリーヴランド管の本拠地セヴェランスホールでの録音。70年代にはセル&クリーヴランド管の録音が廉価盤LPでまとめて出ていたが、当時このコンビの真価に気付いていなかったぼくは、その多くを手にすることなく過ごし、今頃になってこの誇るべきコンビの録音にまともに接している。
演奏は彼らの美点が随所に現れたもので、どこから聴いても第一級の素晴らしさだ。第1楽章は冒頭から音価を短めに切り上げ、思いのほか軽めの響きで通している。弦、管とも正確なピッチと端整なフレージングのためだろう、オケの編成が小さく感じるほどだ。重厚長大なイメージでは決してない。そして何より音楽が格調高い。 第2楽章はティンパニの強打がことのほか冴える。これ以上大きいとバランスが崩れるのではないかと思うほどの強打で第1楽章よりも重量感を感じるほどだ。そして第3楽章。実はこの盤の中でもっとも感銘を受けたのがこの第3楽章だ。前二つの楽章に比べ、セルの解釈は明らかにロマンティックに寄っている。弦楽群は柔軟なフレージングと豊かな響きでこの美しい楽章を歌い、弦楽群と対話するように応える木管が冴え渡る。そして終楽章。冒頭からクリーヴランド管の完璧なアンサンブル。忙しいフレーズで合の手を入れるトランペット、第3楽章を回顧する木管群、いずれもこれ以上ないくらいに正確無比だ。

手持ちのボックスセットは、2013年夏に発売された盤で、ドイツでリマスタリングされたもの。かつてのEPICレーベル時代のやや硬い音質が改善され、広がりのあるワイドレンジな音に仕上がっている。各パートの分離もよく、独唱や合唱もクリア。コントラバスの動きもよく分かる。只今セール中で二千円で在庫ありとか。ベートーヴェン交響曲のリファレンスとしてこれ以上のものはないだろう。


リスト編ピアノソロによる第1楽章



ティーレマン&VPO



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セルとクリーヴランド管の「第九」

これは、素晴らしい演奏ですね。とりわけ第3楽章の素晴らしさはおっしゃるとおり。LP全集では、楽章の途中でひっくり返す必要がありましたが、CDではそれがなくなりました。これは嬉しかったですね~。
第1楽章から通して聴くと、曲の価値とともに、この演奏の素晴らしさを痛感します。
音楽表現の多様性を大事にすることはもちろん大事なことですが、この録音を聴く度に、すごいなあと単純に感嘆してしまいます。早晩パブリックドメインとして公開されるでしょうから、皆さんに聴いていただきたい録音ですね。

Re: セルとクリーヴランド管の「第九」

narkejpさん、こんばんは。
そう、この第3楽章は格別の素晴らしさです。前二つの楽章とセルのスタンスが違うことを実感します。いい演奏です。 LP時代は廉価盤ばかり聴いていた私などは、三楽章が途中で切れずに聴ける2枚組のレギュラー盤を憧れでした(^^;

聴いてみた~い♪

貼りつけてあった、ティーレマンの第9、最後まで聴きました。久しぶりに通して聴いたかも……やっぱり、鳥肌が立ちます。
その、セルのはCDを入手しないと聴けないのですよね。コメントを読むと、とても聴いてみたくなりますね♪

Re: 聴いてみた~い♪

nade45さん、こんばんは。
作品や演奏録音の著作権が50年で切れることから、それらについてネットでの公開が一部で行われています。セルの録音も早晩ネットで聴けるようになると思います。YouTubeでは、少しみた限りでは見当たりませんでした。

ティーレマンは昨今珍しく重厚長大なドイツ風解釈の指揮者で気に入っています。ティーレマンに比べるとセル&クリーヴランドの演奏は、ずっと切れがよく颯爽としています。それでいて第3楽章は豊かに歌うという、理想的なものですね。ちなみにセルのベートーヴェン交響曲全集、Amazonなら1500円でお釣りがきます。

ティーレマン

初めて投稿いたします
「タンノイブログ」で検索していたら
貴ブログを見つけました
ティーレマンはNHK-FMの
2001年バイロイトの第九で知りました
それ以来ファンです
貼ってある第九を見て早速ティーレマン、
ウィーンフィルのCDで7,8,9番を注文しました
それにしてもメゾソプラノの藤村実穂子には
びっくりしました
日本人も楽友協会大ホールで歌う時代になったのですね
感無量

Re: ティーレマン

影なびく星さん、はじめまして。アクセス・コメントありがとうございます。
影なびく星さんはティーレマンが話題になり始めた頃からファンなのですね。
私がティーレマンを始めて聴いたのは、やはりそこ頃リリースされたシューマンでした。その後続けて聴く機会がありませんでしたが、最近になってYouTubeで再会したという次第です。
影なびく星さんが手に入れることにあったウィーンフィルとの一連の録音でも、やや古い時代の演奏様式で、昨今のピリオドスタイル何するものぞの堂々とした演奏で、大いに楽しみました。
あっ、それから…タンノイは半ば衝動買い。根っからのタンノイファンには程遠い状況です。どうか、大目に見てやってください(^^;
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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