トスカニーニの第九


また第九かよ…
なんて声が聞こえてきそうだが、また第九です(^^;  散財したギターはどうなった、ジャズはどうした、タンノイ聴いてんのか、そもそも話がつまらん、お前のセンス最悪…いろいろご意見ございましょうが、極私的備忘録につき、諸々ご容赦を。


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アルトゥール・トスカニーニの第九。NBC交響楽団。1952年カーネギーホールでの録音。手持ちの盤は2003年にリリースされたボックスセット。数年前にTWRで叩き売られていたもの。今はすでに廃盤のようだ。モノラルながらリマスタリングの成果もあってか、音質もまずまずだ。

20世紀前半の巨匠指揮者といえば、フルトヴェングラー、ワルター、トスカニーニということになるだろうか。三人とも条件こそ違うがベートーヴェンの交響曲全曲の録音を残している。そしてそのいずれもがそれぞれに個性的かつ20世紀の演奏様式の有り様を示したものだ。そしてフルトヴェングラーとワルターが19世紀の演奏様式を引きずっているとするなら、トスカニーニは20世紀以降、今日に至るまでの一つの方向性を示した演奏として知られる。この第九もそんなトスカニーニの個性全開の演奏が展開される。

第1楽章はなんと13分30秒で駆け抜ける。序奏から意味深長な雰囲気はなく、やや大きめの音量で始まり、主題が確立したあとは、一気呵成に突き進む。腕利きを集めたNBC響でなければこのテンポはキープできないのではないかと思うほどだ。速いテンポ、拍の頭ジャストで合わせるアインザッツ、短く切り詰めた音価等々。一音一音に意味を探し求めるようなフルトヴェングラーの演奏(1951年バイロイト盤の第1楽章が17分40秒を要している)とはすべてが対照的だ。それでも第3楽章などはさすがに美しく歌う。速めのテンポは変らないが、流麗なフレージングで、これがステレオ録音であったらとつい思ってしまう。第4楽章は冒頭、チェロ・バスのレシタチーヴォを前にした導入句の目の覚めるようなアンサンブルに驚愕。練習ではトスカニーニのかんしゃく玉が何度も炸裂したに違いない。それでいて例のメロディーが弦楽群で提示される下りなどは、実にレガートで美しい。
カラヤンをはじめ、20世紀の指揮者の多くがトスカニーニの演奏様式に何らかの影響を受けているという。いま聴くと驚くほどもなく、ときには意外にロマンティックな様式と感じる面もあるが、20世紀前半にあっては、間違いなくインパクトを与えた演奏だったと思う。


1948年のTV用公録。トスカニーニとNBC響の多くの録音に使われた8Hスタジオにて。このテンポで通されるのは相当しんどいのだろう、終楽章は少々オケに疲れがみられる。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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