<魔笛>の主題による変奏曲 あれこれ



1月最終週スタート。寒さも今しばらくピークが続く。仕事はほどほどに多忙ではあるが、年度末に向けては昨年より多少ながら余裕の進行で、今のところ順調。 さて、昨夜の話になるのだが…しばらく前から気になっていた盤を取り出した。


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フルニエ(Vc)とグルダ(Pf)によるベートーヴェンのチェロ作品集。収録曲は以下の通り。1959年6月、ウィーンのムジークフェライン内の小ホール:ブラームスザールでの録音。手持ちの盤は70年代独グラモフォンのセカンドレーベル:ヘリオドールの国内廉価盤。数年前の長野出張の折、駅前書店の店頭で開かれていた中古レコードワゴンセールで入手したもの。5曲のソナタと3曲の変奏曲がLP3枚に収められている。

・チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 op.5-1
・チェロ・ソナタ第2番ト短調 op.5-2
・チェロ・ソナタ第3番イ長調 op.69
・チェロ・ソナタ第4番ハ長調 op.102-1
・チェロ・ソナタ第5番ニ長調 op.102-2
・『マカベウスのユダ』の主題による12の変奏曲 WoO45
・『魔笛』の主題による7つの変奏曲 WoO46
・『魔笛』の主題による12の変奏曲 op.66

先ほどから、この中の『魔笛』の主題による7つの変奏曲WoO46を聴いている。魔笛のバリエーションのもう1曲、作品66と、ヘンデルの主題による変奏曲が初期の作品であるに比べ、この7つの変奏曲はチェロソナタの3番が作られる少し前の時期ということで、完全にベートーヴェンのスタイルが確立し、後世のぼくらがベートーヴェンらしいと感じる要素が盛り込まれている。 主題提示は変ホ長調8分の6拍子の設定で、チェロのオブリガードを伴ってピアノによって提示される。変奏に入ってからも、チェロの低い音域が積極的に使われていて、この楽器が持つ音色の魅力が十全に発揮される。ピアノとの絡みも巧みで、10分に満たない曲ではなるが、音楽はすこぶる充実している。

ところで、ぼくらギター弾きにとって<魔笛>の主題による変奏曲というと、真っ先にフェルナンド・ソルの作品を思い出す。プロ・アマと問わず、弾けようが弾けまいが、必ず手を付ける曲の一つだ。ベートーヴェンが使った主題とは別のものだが、有名な<これはなんと素晴らしい響き>による変奏曲。この曲は単独でもよく演奏されるように、当時から大そうな人気曲であったようだ。
過日、旧友Y氏とこの曲の話になって、意外に知られていないのだが、有名なソルの作品以外にも、同時代のカルカッシ、カルリ、ジュリアーニといったギター弾きにはお馴染みの作曲家もこの主題を使って変奏曲を書いているという話になった。確かにソルの作品は立派なホ短調の序奏が付き、軽妙な主題提示以降、各変奏曲もギターの特性を生かしながらも普遍的な古典的様式感と和声感を備えた素晴らしい曲ではあるが、他の曲も、当時の雰囲気を知る意味でもっと弾かれてもいいと感じる。


リン・ハレルの弾くベートーヴェン<魔笛>の主題による7つの変奏曲。



フェルナンド・ソルの<魔笛>の主題による変奏曲作品9。ホ短調の序奏に続き主題が提示されるが、原曲からはかなりデフォルメされている。 その風貌からどんな演奏をするのかと思っていると、至って<普通>のフラビオ・サラ。クラシックからジャズ、フラメンコまで何でもOKというギタリストだそうな。



ソルの使った主題の原曲<これはなんと素晴らしい響き>第一幕の合唱曲…だったかな。



◆カルカッシが同じ主題で書いた<イシスの神秘の主題による変奏曲>作品24。<イシスの神秘>は<魔笛>の仏版に付されていたタイトル。立派な序奏付き。
楽譜はこちら ⇒
http://boije.statensmusikverk.se/ebibliotek/boije/pdf/Boije%20624.pdf


リアルな演奏は見当たらず。MIDIで打ち込んだ労作があった。



◆ジュリアーニ <魔笛>の主題による変奏曲。
楽譜はこちら(第1曲) ⇒
http://maurogiuliani.free.fr/partitions/Tre%20tema%20favoriti%20con%20Variazioni%20....pdf


◆カルリ <魔笛>の主題による変奏曲は、かつて音友社から出ていたギターライブラリーにあった。
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フルニエとグルダの

同じ録音を好んで聴いております。今は、すでにパブリックドメインの仲間入りをしているようですが、いい演奏ですね。リン・ハレルの近況を映像で見ることができ、感謝です。ソルの曲は、クラシック・ギターの定番曲ですが、見事な演奏を聴くと、すごいなあと単純に感心してしまいます。カルカッシの名前は、某教本で知るくらいですが、そんな変奏曲を書いていたのですね。ご紹介ありがとうございます。

Re: フルニエとグルダの

narkejpさん、毎度どうも(^^
そう、リン・ハレル!…最初見たとき、昔の面影がなくて、分かりませんでした。実に軽い弾き方でありながら、説得力のあるなあと感じました。
ギターの魔笛変奏曲は、ソルの作品以外はほとんど取り上げられません。コンサート・ピースとしては少々物足りないのでしょうが、ぼくも含めてアマチュア連中はもっと弾くべき作品だと思います。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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