フェレンチェークの<ガランタ舞曲>



ごくわずかに小雨もあったが、まずまず穏やかな日曜日。静かに暮れて、明日からまた仕事という晩。何となく春の気配など感じつつ、さて音盤タイム。 このところしばしばコメントを下さるマイスターフォークさんが、先日のコダーイ<ハーリ・ヤーノッシュ>の記事へのコメントで、高校生のときにフェレンチェーク指揮ハンガリー国立交響楽団の来日公演で聴いたことがあると書いてきてくれた。フェレンチェークかあ…懐かしい名前に触れて、手持ちの彼の盤を取り出した。


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ハンガリーの指揮者ヤーノシュ・フェレンチェーク(1907~1984)は、フリッチャイ、セル、オーマンディー、ケルテス、ショルティー等、ハンガリー生まれながら祖国を去ってしまった指揮者多い中、生涯ハンガリーに留まって活躍した。ハンガリー国立管弦楽団やブダペスト・フィルハーモニー管を振って、フンガトロン・レーベルに多くの録音を残している。取り出したブダペスト・フィルハーモニーとのコダーイ管弦楽曲集もそうした録音の中の一枚。手持ちの盤は70年代の終わりに<バルトーク・コダーイ名盤1300>と称して10枚程リリースされた廉価盤の中のもの。1964年録音。コダーイのよく知られた管弦楽曲である<ハーリ・ヤーノッシュ組曲><ガランタ舞曲><マロシュセーク舞曲>の三曲が収められている。

<ガランタ舞曲>に針を降ろす。曲はレントの導入部に続いていくつかの舞曲が続き、最後にコーダでしめくくられる。ハンガリー西部の小さな村ガランタで、コダーイが子供の頃に接したジプシー楽団の音楽がベースになっているという。冒頭、比較的長い導入部から聴く耳をひきつける。憂いに満ちた弦楽群の続いて、クラリネットが郷愁を誘うメロディーを奏でる。大きくとらえると、ジプシー音楽あるいはそれを模した様式によくある緩急の対比がこの曲でもしばしば取り入れられている。先のクラリネットの他、フルートやオーボエによって奏される哀愁に満ちた旋律と、オケ全体でリズミックかつエネルギッシュに奏されるトゥッティの対比がめざましい効果をあげている。
フェレンチェークとブダペストフィルの演奏は、派手さや現代風の鮮やかさには欠けるものの、アンサンブルも音響バランスも十分練られているし、低音域の充実した録音状態共々、文句のない出来栄え。60年代という今よりずっとローカリズムが強かった時代性もあって、演奏する側に、自分たちの音楽という自信と自負があるに違いないと、聴く側がそう思える時代の演奏であることも嬉しい。


1972年ロシア生まれのウラディミール・ユロウスキーがロンドンフィルを振った2012年のプロムスでの演奏。



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No title

こんにちは。

ハンガリー周辺ではジプシ-バンドが盛んですがクラリネットがベ-ム式とドイツ式に別れて発達する時に、もっと民俗的なシンプルなスタイルの楽器が使われて来ました。

クラリネット中音域にヴィブラ-トかけた味わいは東欧に受け継がれてますね。ガランタはクラ吹きの腕のみせどころにピッタリです!


ヤーノシュ・フェレンチェーク、国立響の公演ですが本プロはエロイカで熱い演奏でアンコはベルリオ-ズのハンガリー行進曲で盛り上り満足しましたよ。

Re: No title

マイスターフォークさん、お待ちしておりました(^^
ロシア・東欧系オケの特徴的なヴィブラートは金管だけでなく、クラリネットなどにもあるのですね。あらためて気をつけて聴いてみましょう。もっとも、そういうローカル的味わいは70年代前半くらいまででしょうかね。
フェレンチェーク&ハンガリー国立響…ベルリオーズのアンコールはさぞ盛り上がったことでしょう。
10年程前、フェレンチェーク&ハンガリー国立響のベートーヴェン交響曲全集が激安ボックスセットで出ていましたが、そのうちにと思っているうちに買い逃しました。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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