ロメロ親子 古典派ギター二重奏曲集



早いもので四月も下旬。きょうは都内での仕事を終えたあと、知人と銀座で落ち合って食事。きのう開店した話題のギンザシックスも遠巻きに確認。外国人観光客も混じり大変な人出だった。知人もぼくも下戸につき、たらふく食べて歓談。それじゃまた、と帰途についた。


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10時少し前に帰宅。ひと息ついて、さて週末金曜日。一昨日のマティエカの記事で思い出し、久々にこんな盤を取り出した。

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取出したのはロメロ一家、オヤジさんのセレドニオと長男ペペによる二重奏。1976年10月録音。収録曲は以下の通り。19世紀中庸のギター古典期のオーソドクスな曲が3つ入っている。(写真右アントン・ディアベリ)

  1. セレナード イ長調 作品96-1(カルリ)
  2. 協奏的変奏曲 作品130(ジュリアーニ)
  3. セレナード ヘ長調 作品63(ディアベリ)

この盤が出た40年前といえば、すでにロメロ・ファミリーはペペやアンヘルのソロ活動も始まり、十分な人気を博していた頃だ。その時期に、こうした19世紀半ばヨーロッパでギターが広く定着しつつあった時代の、見方によってはやや地味とも思われる純古典曲を選んだこの親子にまず拍手を送りたい。ロメロ・ファミリーはスペイン物ばかりじゃない、ヨーロッパの古典もしっかり演奏できまっせという気概さえ感じる。

演奏もそうしたポリシーを反映するかのように実にオーソドクス。まるで古典派二重奏のお手本のような演奏で好感が持てる。カルリのイ長調のセレナーデは、冒頭の序奏や第1楽章などは、アマチュアの手慰み程度だと、度々出てくる付点音符の処理に手を焼くのだが、さすがに完璧に合っていて格調高い古典的な雰囲気十分だ。ジュリアーニの協奏変奏曲は、70年代半ばの当時人気の高かったジュリアン・ブリームとジョン・ウィリアムスの演奏などと比べると、闊達さや自在にには欠けるだろうが、ぼくはこのロメロ親子の生真面目なくらいきっちりした演奏を好む。ブリームとジョンの演奏はもちろん素晴らしいが、二人の名人芸の方に耳がいく。ディアベリのセレナーデでもロメロ親子のアプローチは変らない。ディアベリ(1781-1858)という、当時のウィーンにあって職業作曲家(ギター専門家ではない)として名声を博した人が書いたウィーン古典派の本流をいく<家庭音楽>の曲想はクラシックギター音楽の貴重な財産。もっと評価され、演奏されていいように思う。

この時代の曲は今であれば19世紀当時の楽器を使い、よりオーセンティックなスタイルで楽しみたいところだが、40年前は今ほどオリジナル志向は強くなかっただろう。ここはモダンギター(使用楽器はジャケット写真でみると、父セレドニオがラミレス、長男ペペがバルベロ1世だろうか)による70年当時のオーソドクスな解釈と演奏スタイルとして楽しむことにしよう。


ディアベリのセレナーデから行進曲とメヌエット。原曲通り第1ギターはテルツギターを使っている。全曲の楽譜はこちら






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マティエカ・ソナタ集



旧友Y氏から楽譜が届いた。


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少し前から旧友Y氏が編纂を進めていた私家版<マティエカ・ソナタ集>。
ウィーン古典派ど真ん中の作曲家ヴェンチェル・トーマス・マティエカ(1773-1830)が書いたギター作品の中から<ソナタ>と題されている作品を集めたもの。海外図書館アーカイブ等から集めたファクシミリ版ベースの楽譜をあらためてまとめたもの。もちろん一部は現在も出版譜が流通しているが、こうしたまとまった曲集はない。少し前に出来し、プロのギタリストも含む愛好家諸氏に配布され、また先日4月9日にひたちなか市で行われてY氏も講師を務めた<バロックギターと19世紀ギターによるレクチャーコンサート>のテキストとしも使われたとのこと。収録曲は以下の通り。

 大ソナタ1番
 大ソナタ2番
 ソナタ 作品16
 ソナタ 作品17
 <交響曲形式による>(第3ソナタ) 作品20-21
 <ハイドンによる>ソナタ 作品23
 6つのソナタ 作品31

Y氏によれば「不当に無視されているマティエカ、その実力に応じた正当な評価を得られるよう、また演奏会・発表会で演奏されるよう、作成した」そうだ。また巻頭言にはこうも記している。「…上記のように理解されるウィーン古典派だが、ギターではどう現れるか…。その時代・様式にあてはまるのは、S.モリトール、J.キュフナー、W.マティエカ、A.ディアベリそして有名なジュリアーニ…共通するのは彼ら(モリトール・ジュリアーニを除き)がギターがメインの作曲家ではなかったことです。キュフナーには交響曲・弦楽四重奏曲・ヴィオラ協奏曲・軍隊用の多数の曲があり、マティエカやディアベリには宗教音楽や歌曲、多数の室内楽曲がある。モリトール、ジュリアーニにも多数の室内楽がある。…ギターにおけるウィーン古典派の充実したソナタ、緩徐楽章の純粋に器楽的な美しさ、ギタリスティックな外連(けれん)味は皆無である。しかし一度は練習・演奏して欲しい…」

クラシックギターの世界は不思議な世界で、クラシックギター愛好家といいながら、ほとんどクラシックを聴かない、知らない輩があまりに多い(プロもアマも)。カルリやソル、ジュリアーニを弾きながら「ウィーン古典派、それってナア~に?」…。残念なことだが、それがクラシックギター界の現実だ。 ピアノにおけるバイエルのような古典的素養(日本において…)の第一歩もマスターせずに、いきなりバッハやソルの大曲に取組み、アマチュアの遊びだから何でもアリと平然と言い放つ人も多い。バイエルを終えたばかりのピアノ初心者が、「弾きたいから」という素朴な理由で、すぐにベートーヴェンの後期のソナタに取り掛かって、イヤー、弾けないなあ、もっと練習しないと…と言っているようなものだ。作品に対して失礼とさえ思える。古楽器奏者:竹内太郎氏も以前日記に書いていた。難しい曲を選びすぎる、バッハなんてプロでもおいそれと手を出せないバロック期の最高峰だと。

先日の私家版作曲家年表の記事にも書いたが、クラシックギターという特別な歴史があるわけではなく、古典ギター全盛期のカルリ、ソル、ジュリアーニ、メルツといった作曲家の作品はまぎれもなくクラシック音楽全般の古典派・初期ロマン派の中に位置付けられ、それらの様式感や解釈を会得するには18世紀末から19世紀初めてのクラシック音楽全般に親しむことがもっとも手っ取り早い。 もちろんギターでベートーヴェンやモーツァルトというわけにいかないが、マティエカやキュフナー、ディアベリの作品があることに気付くべきだ。Y氏は古典を<楷書>と位置付け、古典に対する理解と敬意なくしていは、その後のロマン派もそれ以前の古楽もないと論じるが、まったくその通りだ。

今回のマティエカの続編も計画中とのこと。私家版もいいが、現代ギター社あたりがきちんと出版してくれたらと願うところだ。


6つのソナタから第4番。


マティエカの作品としてもっとも知られる作品21<ノクターン>のオリジナル三重奏版の演奏(シューベルトがチェロパートを加えたという四重奏版もよく演奏される)。シュタウファースタイルの19世紀ギターレプリカを弾くのは古典作品を積極的に取り上げている益田正洋氏。ウィーン古典派ど真ん中の作風。


同時代のディアベリによる<協奏風セレナータ>作品105



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メンデルスゾーン 交響曲第1番ハ短調



週明け月曜日。暖かな一日だったが、夕方から雨。どうやらあすは春の嵐で大荒れになるらしい。大したことがなければいいが…。 さて、桜も散り、空気も緩んできたところで、何か春らしい曲はないか知らんと一考。こんな盤を取り出した。


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メンデルスゾーン(1809-1847)の交響曲第1番ハ短調。カラヤン&BPOによる全集盤中の1枚。1972年ベルリン・イエス・キリスト教会での録音。例によってギュンター・ヘルマンスと、彼に加えてクラウス・シャイベが録音技術を担当。まさにカラヤン黄金期の布陣だ。メンデルスゾーンの1、2番が手元になかったので、それではと物色し、数年前にタワーレコードのワゴンセールで買い求めたもの。

この曲はメンデルスゾーン15歳のときの作品。それ以前に弦楽のための交響曲を12曲作り、そのあとに作った初めての管弦楽交響曲。第1楽章冒頭から古典~初期ロマン派の短調作品がもつ劇的な展開と感情表現が素晴らしい効果をあげている。第2楽章は15歳の少年が作ったものとは思えない深い叙情と歌に満ちていて、今更ながらにメンデルスゾーンの天才ぶりに驚く。第3楽章はメヌエットだが実質的にはスケルツォ。ここでも短調らしい厳しい表情と時々長調に転じたときの大らかな響きのコントラストが素晴らしい。アレグロ・コン・フォーコの指示がある終楽章もロンド形式ではなく、きっちりとソナタ形式で書かれていて、手に汗握る展開だ。中間部におかれたフーガも素晴らしい効果を上げている。

カラヤンの演奏は各パートがもっと渾然一体となった、やや肥大した響きだったように記憶していたのだが、きょう聴いてみるとそんな感じはない。各パートはきっちりと分離し、整ったアンサンブルを聴かせる。よく伸びた低弦群の音がヘッドフォンからしっかりと聴こえてくる。木管群の距離感も適切だ。それでもトータルとしては、細部よりは全体を、縦よりは横を重視した解釈と演奏。春らしいというよりは、明日の天気予想同様、春の嵐を想起させる、若々しくも充実した短調作品の第1番を再確認した次第だ。


フランツ・リスト・ワイマール音楽大学の学生オケによる演奏。ベルリンフィルの教育プログラムの一環として、昨年フィルハーモニーの室内楽ホールで演奏されたときの模様だそうだ。



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カーメン・ランディ



きょうの関東地方は一気に気温上昇し、各地で軒並み25℃超えの夏日。家の中にいると意外にひんやりした感じだが、外に出ると夏日を実感する。幸い湿度は低く、気候としては快適。きのうのノリテツの疲れも少々あって終日在宅の安息日となった。さて、あすからの仕事に備えてボチボチやすむ時刻だが、ナイトキャップ代わりの一枚をと、こんな盤を取り出した。


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ブラックビューティー:カーメン・ランディの盤。この盤は彼女がJVCと契約していた時期の2作目で1997年の録音。ライナーノートをあらためてみると1954年11月1日生まれとあった。まさに同世代。この盤以前にすでに何枚かのアルバムを出していたようだが、日本で知られるようになったのはこの盤のリリース時期、90年代後半からではないだろうか。歌手としては遅咲きというところだろう。この盤ではジャズのスタンダードの他に、ソウルのスタンダードも何曲か入っていて、いわゆるブラックテイストを強く感じさせる曲もある。アレンジもいかにもコンテンポラリーな仕上がりで刺激に満ちた仕上がりだ。今や彼女は、カサンドラ・ウィルソンやダイアン・リーヴスらと並ぶジャズ界の大御所になりつつあるようだが、かつてのサラヴォーン、エラ・フィッツジェラルド、カーメン・マクレイらの時代とは明らかに違う新しさを感じる音楽だ。


2005年のステージ。ノリノリのライヴ。これではナイトキャップにはならないなぁ…(^^;


この盤に収録されている<When Your Lover Has Gone>


同じく<YOU'RE NOT IN LOVE>



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ノリテツ与太<わたらせ渓谷鐵道>へ



四月半ばの土曜日。ふと思い立って、わたらせ渓谷鉄道へ。
国鉄時代の足尾線から平成になって第三セクターわたらせ渓谷鉄道(筆頭株主は群馬県)となった、群馬県桐生市のJR桐生駅から県境を越えて栃木県日光市足尾町の間藤までの40キロ余の非電化単線路線。江戸時代から昭和に至るまで銅を産出した足尾は、その過程で発生した鉱毒被害と、その原因・責任究明の歴史として広く知られるところだろう。第三セクターのわたらせ渓谷鉄道となってからは、銅山観光や途中駅周辺での観光開発を進めてきた。また昨今は、沿線の素朴で豊かな自然景観をめでる人々が県外や海外からもツアーを組んで訪れるようになった。ぼくが初めてこの路線に乗ったのは、もう三十数年前のこと。その後、仕事やプライベートで数回利用した。今回は本当に久しぶりの乗車。


基点はJR桐生駅。レトロなディーゼル2両編成。車内もいい味出してます。といっても平成2年生まれ。
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乗り込む前に仕入れた<ほうとういなり> ご飯の代わりにほうとうを詰め込んだレアな一品。お味は…
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途中駅の水沼駅・神戸(ごうど)駅周辺は桜と桃の花が満開。新緑そして紅葉の頃も、沿線の渓谷美は絶景。
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終着駅の間藤(まとう)。かつてはこの先にも鉱石運搬用の線路が延びていたが、現在は閉鎖されている。近くには銅山時代からの縁で古河金属系の事業所がわずかに残るのみ。観光客の多くは途中の水沼駅(駅内に温泉有り)や通洞(花の名所)で途中下車のようだった。
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足尾町は銅産出が盛んであった明治から昭和初期には四万人近い人々が生活をし、栃木県内第二の町であったが70年代に閉山。80年代には精錬事業も終了し、以降は過疎化が著しい。ぼくも過去何度かこの地へ足を延ばしたが、今でも明治以来の当時の建築物が廃墟と化して往時の名残として現存し、いわゆる廃墟マニアの巡礼もしばしば見かける。


わたらせ渓谷鉄道 上り 通洞(つうどう)駅入線。ホームは多くの観光客で賑わっていた。iphone取り出しにわか撮影。YOUTUBEにはトリテツ諸氏の力作が山ほどあります。


わたらせ渓谷鉄道、通称<わ鐵>のオフィシャル動画。春の巻。


冬景色。豪雪地帯ではないので、ほどほどの雪。



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バッハ 半音階的幻想曲とフーガ



先回の記事、コンサートの案内を書いておきながら、冒頭に<中止となりました>って、なにそれ?と思った輩もいることだろう。実は昨晩、コンサート案内のつもり記事を書いてアップした、そのほんの数分後に紹介してくれた知人からメールがあって、事情あって中止になるとの連絡を受けたのだ。偶然といえば偶然なのだが、あまりのタイミングに我ながら驚いた。記事を削除しようかとも思ったが、知人とも相談し、団体(東京コレギウム・ムジクム合唱団)と楽曲の紹介として、そのままにしておくことにした。冒頭の<中止となりました>の次第はそんなわけ…
さて、週末金曜日。昼から霞ヶ関へ。仕事がスムースに終わったこともあって少々早めに帰宅。ひと息ついて、夜食テロ迎撃前のひととき、こんな盤を取り出した。


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ウィルヘルム・ケンプ:バッハ・リサイタルと称された1枚。その名の通り、バッハの作品、それもまとまった組曲ではなく、小品に分類される曲を集めたもの。1953年モノラル録音。手持ちの盤は70年代後半に廉価盤で出ていた<ロンドン永遠の名盤シリーズ>の1枚。収録曲は以下の通り。

 1. 半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
 2. コラール・プレリュード BWV659 「いざ来れ、異教徒の救い主よ」
 3. コラール「主よ、人の望みの喜びよ」(カンタータ 第147番 BWV.147より)
 4. 3つのコラール・プレリュード:1)わが心からの望み BWV.727
 5. 3つのコラール・プレリュード:2)もろ人声あげ BWV.751
 6. 3つのコラール・プレリュード:3)喜べ、愛する信者よ BWV.734a
 7. シチリアーノ(フルート・ソナタ 第2番 変ホ長調 BWV.1031より)
 8. コラール「目をさませと呼ぶ声が聞こえ」(カンタータ 第140番 BWV.140より)

このアルバムの聴き物は第1曲<半音階的幻想曲とフーガ>だ。
<半音階的幻想曲とフーガ>…なんとカッコいい曲名だろう。この曲名を目にする度に、3回は小声で唱えてしまう。曲名を唱えるだけで、背筋が伸びそうだ。<東京カテドラル聖マリア大聖堂>と同じくらいカッコいい響きだと言ったら、同感してくれる輩がきっといるだろう(^^;

さて肝心の曲だ。この曲がバッハの傑作の一つだということに、あまり異論はないだろう。前半の長い幻想曲は、まさにその名の通り幻想的かつ即興的に展開する。バッハが思うに任せて自在に即興で弾いたフレーズをそのまま書き落としたのではないかと思ってしまう。前奏曲とフーガと同じ形式ながら、添え物的な前奏曲には収まりきれないほど壮大なファンタジア。それは続くフーガがむしろ小規模なのではないかと感じてしまうほど。もちろんフーガは期待違わず壮麗だ。ケンプの温厚な弾きぶりは、録音の古さもあって少々インパクトには欠けるだろうか。しかし、これがこの人の身上。マイルドなモノラル録音で聴くのも相応しい。


この盤のケンプの演奏。


グールドによる前半の幻想曲部分の演奏。グールドはこの曲のフーガ部の録音を正規盤としては残していない。理由は単純、この曲が好きではないのでそうだ。


ギターによる演奏。当代きってのテクニシャン:ホルヘ・カバレロ。


ヴァイオリン独奏による演奏。上手いなあと思っていたら、ナンドール・セデルケニというハンガリーの名手。大阪センチュリー交響楽団のコンマスも務め、近年もしばしば来日している様子。



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東京コレギウム・ムジクム合唱団 第7回教会コンサート



◆◆◆ 当コンサートは諸事情により中止となりました ◆◆◆


先日、知人から演奏会の案内が届いた。
東京コレギウム・ムジクム合唱団の教会コンサートが来る4月23日(日)にあるという。知人からは「与太さん、俗にまみれた日常を純粋なるハーモニーで清めてみては?」とのお誘い。


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東京コレギウム・ムジクム合唱団TCMCは、三十名ほどのメンバーからなるアマチュア合唱団。1975年に大阪ハイリッヒ・シュッツ室内合唱団を創立し、ルネサンスから現代音楽まで広く活躍して高い評価を受けている当間修一氏が主宰している。同氏による合唱講座に端を発して2010年に創立されたそうだ。 次第は以下の通り。ご都合つく方はぜひどうぞ。

日時:2017年04月23日(日)
開場:15:30/開演:16:00
会場:カトリック本郷教会
    (JR山手線/東京メトロ南北線 駒込駅下車 徒歩7分)
指揮:当間修一

<演奏曲目> (すべてアカペラ)
◇聖金曜日のためのエレミア哀歌 (T.L.de.Victoria)
◇ブルックナー モテット集より
  MOTETTEN:Ave Maria/Locus iste/Os justi/
  Christus factus est/Virga Jesse (A.Bruckner)
◇さくらももこの詩による無伴奏混声合唱曲集
  「ぜんぶ ここに」より (相澤直人)
◇混声合唱のための「方丈記」 (千原英喜)


合唱にはとんと縁なく、このプログラムで察しがつくのはブルックナーのモテトくらい。それもブルックナーのテデウムやミサ曲からの勝手な想像だ。エレミア哀歌もトマス・タリスの曲があることは承知しているが手元に音盤はなかったはずだ。ことほどさように、あらためて自分の音楽体験の偏狭さに気付く。案じた知人が貸してくれたCDを聴くと、まさに心洗われる響き。日頃ギターを相手に、平均律ベースにところどころ補正を加えてお茶を濁すチューニングで良しとしている耳に合唱のピュアなトーンは新鮮だ。


相澤直人作曲:さくらももこの詩による無伴奏混声合唱曲集「ぜんぶ ここに」より<ぜんぶ>


千原英喜/「方丈記」よりIII.夜もすがら。歌詞は鴨長明の方丈記そのもの。
TCMC指導者の当間修一率いる大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団。


ブルックナーのモテトから6曲が歌われている。7声を基本に書かれているようだ。彼の交響曲の分厚い響きと異なるところ、共通するところ、双方を感じ取れる。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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